「私は結婚する際、名字を変えることを巡って、とても苦労しました」
仙台市に住む91歳の樋口静枝さんは今年4月、地元紙の河北新報に投稿した。
父を早く亡くし、母は婿をとることを希望したが、結婚相手は難色を示した。結局夫の名字を名乗り母と同居。母は名字へのこだわりが強く、「世界一の親不孝者」と呼ばれた。「夫婦がそれぞれの名字を名乗ることが、家族の一体感を失わせるとは思えません」
その娘の典子さん(62)。1983年に結婚。「婚姻届を出して自分の名字がなくなるとすごく喪失感があった」。公務員だったが、99年に通称使用が可能になると切り替えた。選択的夫婦別姓を求める運動に参加、子どもの手をひき集会にも出かけた。1男2女の名字は夫と同じだ。
名前変えると「私生活を詮索される」
典子さんは2011年に仙台…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル